相続

2026-10-08

親が亡くなったあとの役所・年金の手続き|年金の届出は10日・14日、葬祭費5万円など公的情報で解説

親が亡くなったあとは、悲しむ間もなく、たくさんの手続きが待っています。葬儀や相続のことに気をとられて、年金や保険の手続きが後回しになりがちですが、中には期限があるものや、届け出ないともらえないお金もあります。

この記事では、役所・年金・保険の手続きにしぼって、日本年金機構や自治体の公式情報をもとに整理しました(出典は記事の最後に載せています)。相続全体の流れと期限は、相続の流れと期限にまとめています。

まずは「死亡届」(7日以内)

亡くなったことを知った日から7日以内に、市区町村に死亡届を出します。多くの場合、葬儀社が提出を手伝ってくれます。死亡届を出すと、火葬の許可をもらえます。

年金の手続き

年金の「死亡届」:厚生年金は10日、国民年金は14日以内

日本年金機構によると、年金を受け取っていた方が亡くなったときの「年金受給権者死亡届」の期限は、次のとおりです。

年金の種類 期限
厚生年金 亡くなってから10日以内
国民年金 亡くなってから14日以内

ただし、日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は、原則として死亡届は不要です。

届出が遅れて、亡くなったあとも年金が振り込まれた場合は、その分を返さなければなりません。マイナンバーが収録されているか分からないときは、年金事務所に確認しましょう。

もらい忘れに注意:「未支給年金」

年金は、亡くなった月の分まで受け取ることができます。ただ、年金は後払いのしくみなので、亡くなった時点でまだ受け取っていない年金が残っていることがあります。これを「未支給年金」といいます。

日本年金機構によると、未支給年金は、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族が、次の順番で受け取れます。

  1. 配偶者 → 2. 子 → 3. 父母 → 4. 孫 → 5. 祖父母 → 6. 兄弟姉妹 → 7. それ以外の3親等内の親族

受け取るには、「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」を、年金事務所などに提出します。マイナンバーで死亡届が省略できる方でも、未支給年金の請求は別に必要です。

遺族年金なども確認を

亡くなった方の年金の加入状況や、遺族の状況によっては、遺族基礎年金・遺族厚生年金・寡婦年金・死亡一時金などを受け取れることがあります。対象になるかどうかは、年金事務所や街角の年金相談センターで相談できます。

健康保険・介護保険の手続き

後期高齢者医療の「葬祭費」

75歳以上の方などが入っている後期高齢者医療制度では、被保険者が亡くなったとき、**葬祭を行った方に「葬祭費」**が支給されます。

たとえば大阪府後期高齢者医療広域連合(大阪府内の市町村)では、葬祭費は50,000円です。申請には、次のようなものが必要です(堺市の案内より)。

  • 亡くなった方の資格が分かるもの(資格確認書など)
  • 葬祭を行った方の名前が書かれた葬儀費用の領収書
  • 葬祭を行った方の口座が分かるもの(通帳など)

葬祭費は、申請しないともらえません。また、横浜市の案内では、葬祭を行った日の翌日から2年で時効になり、支給されなくなるとされています。金額や手続きは地域によって違うので、お住まいの市区町村の窓口で確認しましょう。

※ 国民健康保険や、会社の健康保険(家族として加入していた場合など)にも、葬祭費や埋葬料のしくみがあります。加入していた保険の窓口に確認してください。

介護保険の被保険者証などを返す

介護保険を使っていた方が亡くなったときは、介護保険被保険者証や負担割合証を市区町村に返します。たとえば西宮市では、市役所や支所などに立ち寄ったときに返却するよう案内しています(なくしてしまった場合は、返却の手続きは不要とされています)。

また、65歳以上の方の介護保険料は、亡くなったあと月割りで計算し直されます。払いすぎていれば還付のお知らせが届き、足りなければ納付書が届きます。亡くなった方の住所あてに届くので、別の住所に住む家族に送ってほしい場合は、送付先の変更を届け出ます。

手続きは「おくやみコーナー」でまとめて相談できることも

最近は、市役所に「おくやみコーナー」をもうける自治体が増えています。たとえば西宮市では、令和5年10月から本庁舎1階におくやみコーナーを開設していて、

  • 亡くなった方の情報を聞きとり、必要な手続きを洗い出して、担当の窓口を案内してくれる
  • 名前や住所などを印字した申請書を用意して、何度も同じことを書く負担を減らしてくれる

といった手伝いをしています。西宮市では、死亡後の手続きをまとめた「おくやみガイドブック」も、死亡届の受付時などに配っています。お住まいの市区町村にも同じような窓口がないか、確認してみましょう。

手続きをスムーズにするために

  • 死亡届のあとに、すぐ集めておきたいもの:亡くなった方の年金証書、介護保険被保険者証、資格確認書(健康保険)、葬儀費用の領収書
  • 領収書は捨てない:葬祭費の申請に、葬祭を行った方の名前が書かれた領収書が必要です
  • 郵便物に注意:保険料の還付や精算の通知が、あとから届きます

まとめ

  • 死亡届は7日以内
  • 年金の死亡届は厚生年金10日・国民年金14日以内(マイナンバーが収録されていれば原則不要)
  • 未支給年金は、届け出ないともらえない。マイナンバーで死亡届が不要な方も、請求は必要
  • 後期高齢者医療の葬祭費(大阪府は5万円)は、申請が必要で、時効は2年
  • 介護保険証などは返却。保険料は月割りで精算される
  • 市役所のおくやみコーナーも活用する

遺品の整理については遺品整理の進め方と費用、親の銀行口座については親の銀行口座が凍結されたら?、相続を放棄するかどうか迷ったら相続放棄の手続きと期限もあわせてご覧ください。

※ この記事は2026年10月時点の情報をもとにしています。手続きの方法や金額は、地域や加入していた保険によって異なります。くわしくは、年金事務所やお住まいの市区町村の窓口に確認してください。

この記事の出典

(いずれも2026年10月に内容を確認しています)

あわせて読みたい