相続

2026-10-25

親のマンションを相続したら|管理費・修繕積立金はだれが払う?管理組合への届出、兄弟で共有するときの注意

親が住んでいた分譲マンションを相続することになった。住む予定はないけれど、売るか貸すかもまだ決められない。

そんなあいだも、マンションの管理費や修繕積立金は毎月かかります。この記事では、親のマンションを相続したときに知っておきたいことを、民法・区分所有法と、国土交通省の「マンション標準管理規約」をもとにまとめます(出典は記事の最後に載せています)。

※ 実際のルールは、それぞれのマンションの管理規約で決まっています。管理組合や管理会社に確認してください。

管理費・修繕積立金は、相続人が引き継ぐ

民法第896条は、相続人は、相続が始まったときから、亡くなった人の財産に属した一切の権利義務を引き継ぐと定めています。マンションの部屋を相続すれば、相続人が区分所有者として管理費や修繕積立金を払う立場になります。

相続人が複数いて、まだ遺産分割(話し合い)が終わっていないあいだは、民法第898条により、相続財産は相続人の共有になります。

親に滞納があった場合
親が管理費などを滞納していた場合、その支払い義務も相続の対象になります。区分所有法では、管理費などの債権は、部屋を買った人など(特定承継人)にも請求できると定められています(第8条)。相続した部屋を売るときは、滞納がないかを管理組合に確かめ、精算しておきましょう。

借金などのマイナスの財産が多い場合は、相続放棄を検討することもあります。期限は、相続が始まったことを知ったときから3か月以内です(相続放棄の手続きと期限)。

管理組合への届出

国土交通省の「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年改正)では、新たに組合員の資格を取得した人は、すぐに書面(または電磁的方法)で管理組合に届け出ることになっています(第31条)。

相続でマンションを引き継いだら、管理組合(管理会社に委託している場合は管理会社)に連絡し、

  • 新しい所有者(組合員)の氏名と連絡先
  • 管理費・修繕積立金の引き落とし口座の変更

などの手続きを確かめましょう。親の口座が凍結されると、引き落としができなくなることがあります(親の銀行口座が凍結されたら)。

兄弟で共有するときは「議決権を使う人」を決める

相続でマンションを兄弟などで共有することになった場合、総会での議決権の使い方にルールがあります。

ルール 内容
区分所有法 第40条 専有部分が数人の共有のときは、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で、議決権を使う人を一人決めなければならない
標準管理規約 第46条 住戸1戸が数人の共有のときは、共有者をあわせて一人の組合員とみなし、議決権を使う人1名を決めて、総会の前に理事長に届け出る

共有のままにすると、総会のたびに兄弟で相談が必要になります。売るのか、だれか一人が引き継ぐのかを早めに話し合っておくと、あとの手続きが楽になります。

相続登記は3年以内に

2024年4月1日から、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の相続登記が義務になっています。マンションも対象です。売るときも、まず相続登記が必要です(相続した実家を売る前に、相続登記を)。

2026年4月から、マンションの法律が変わりました

区分所有法などの改正が2026年4月1日に施行され、総会の決議が「出席者の多数決」になるなど、マンションの管理のルールが変わっています。相続した部屋の持ち主として総会に参加しないままでいると、自分の知らないうちに大事なことが決まる可能性もあります。総会の案内が届いたら、内容に目を通しておきましょう。

まとめ

  • 親のマンションを相続すると、管理費・修繕積立金を払う立場も引き継ぐ(民法第896条)
  • 親に滞納があれば、その支払い義務も相続の対象になる。売る前に確かめて精算を
  • 管理組合への届出、引き落とし口座の変更を早めに
  • 兄弟で共有するなら、議決権を使う人を一人決める(区分所有法第40条)
  • 相続登記は3年以内に

相続の基本的な流れは相続のページ、売却の進め方は不動産売却のページもあわせてご覧ください。

この記事の出典

(いずれも2026年10月25日に内容を確認しています)

※ 相続や滞納など個別の問題は、弁護士や司法書士にご相談ください。

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