不動産売却
2026-09-30
相続した実家(空き家)を売ると最大3,000万円控除|条件と期限を国税庁の情報で解説
親が亡くなって、誰も住まなくなった実家。売ることにしたとき、気になるのが税金です。
売って利益(譲渡所得)が出ると所得税などがかかりますが、条件を満たせば、利益から最大3,000万円を差し引ける特例があります。正式には「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。
この記事について:国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令等)の内容を、分かりやすく整理したものです。条件はとても細かく、税制は毎年のように改正されます。**実際に使えるかどうかは、必ず税務署や税理士に確認してください。**出典は記事の最後に載せています。
特例のポイント
- 相続した家や土地を、2027年(令和9年)12月31日までに売った場合が対象
- 利益から最大3,000万円を控除できる
- ただし、2024年1月1日以後の売却で、家と土地を相続した相続人が3人以上の場合は、2,000万円まで
対象になる家の条件
次の3つをすべて満たす家(主に親が住んでいた1つの建物)が対象です。
対象になる「被相続人居住用家屋」
① 古い家
1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家であること。
② 一戸建てなど
マンションなどの区分所有建物として登記されていないこと。
③ 親がひとりで住んでいた
亡くなる直前に、親以外に住んでいた人がいなかったこと。
親が老人ホームに入っていた場合も使える
要介護認定(または要支援認定)を受けて老人ホームなどに入所していたために、亡くなる直前に実家に住んでいなかった場合でも、一定の条件を満たせば対象になります。
- 対象になる施設:特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、軽費老人ホーム(ケアハウス)、養護老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、サービス付き高齢者向け住宅など
- 要介護・要支援の認定を、実家に住まなくなる直前に受けていたこと
- 入所した後も、実家が親の荷物を置くなど、親のために使われていたこと
- 入所した後、実家を貸したり、ほかの人が住んだりしていないこと
- 入所してから亡くなるまで、親の主な住まいがその施設であったこと
実家じまいでは、親が施設に入ってから亡くなるケースが多いので、ぜひ知っておきたいポイントです。
特例を使うための主な条件
売り方は3パターン
A
家を耐震リフォームして売る
売るときに、家が一定の耐震基準を満たしていること。
B
家を解体して、土地を売る
家をすべて取り壊してから、更地として売ること。
C
家つきで売り、翌年2月15日までに耐震化か解体
売った年の翌年2月15日までに、耐震基準を満たすか、家の全部の取り壊しが行われること(2024年1月1日以後の売却)。
どのパターンでも、次の条件を満たす必要があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 期限 | 相続の開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること |
| 使い方 | 相続してから売るまで、事業・貸付け・居住に使っていないこと |
| 売却代金 | 1億円以下であること(分けて売った部分なども合算) |
| 売る相手 | 親子・夫婦など「特別の関係がある人」ではないこと |
| ほかの特例 | 相続財産の取得費加算の特例など、ほかの特例を使っていないこと |
※ 特例そのものの期限(2027年12月31日まで)と、相続からの期限の、早いほうまでに売る必要があります。
必要な手続き
特例を使うには、確定申告が必要です。主な書類は次のとおりです。
- 譲渡所得の内訳書
- 売った土地・建物の登記事項証明書など
- 実家がある市区町村から発行される「被相続人居住用家屋等確認書」
- (耐震リフォームの場合)耐震基準適合証明書など
- 売却代金が1億円以下であることが分かる売買契約書の写しなど
「被相続人居住用家屋等確認書」は、市区町村での申請に時間がかかることがあるので、早めに準備しましょう。
まとめ
- 相続した実家を売ると、条件を満たせば利益から最大3,000万円を控除できる(相続人3人以上は2,000万円)
- 1981年5月31日以前に建てられ、親がひとりで住んでいた家が対象。老人ホーム入所の場合も条件つきで対象
- 期限は「相続から3年後の年末」と「2027年12月31日」の早いほう
- 確定申告が必要。市区町村の確認書も早めに準備を
- 実際に使えるかどうかは、税務署や税理士に必ず確認を
売却の流れは実家を売るときの入門ガイドをご覧ください。
この記事の出典
- 国税庁 タックスアンサー「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(令和8年4月1日現在法令等/2026年9月確認)
- 国税庁 タックスアンサー「No.3307 被相続人が老人ホーム等に入所していた場合の被相続人居住用家屋」(令和8年4月1日現在法令等/2026年9月確認)
※ この記事は一般的な情報です。個別の税務の判断は、税務署や税理士にご相談ください。