不動産売却
2026-09-30
相続したいらない土地を国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」とは?費用・条件を法務省の情報で解説
「親から相続した田舎の土地。遠くて管理できないし、売ろうとしても買い手がつかない」
こうした土地は、持っているだけで固定資産税や草刈りなどの管理の負担がかかり続けます。そこで2023年4月27日に始まったのが、相続した土地を国に引き取ってもらえる「相続土地国庫帰属制度」です。
この記事は、法務省の公式ページをもとに書いています(出典は記事の最後に載せています)。
申請できる人
- 相続または遺贈(相続人に対するもの)で土地を取得した人
- 相続で共有持分を取得した場合は、共有者全員で申請すれば利用できる
- 制度が始まる前に相続した土地も対象(数十年前に相続した土地でもOK)
売買など、相続以外の理由で自分から取得した土地は、基本的に対象外です。
引き取ってもらえない土地
どんな土地でも引き取ってもらえるわけではありません。管理に手間や費用がかかりすぎる土地は対象外です。
申請そのものができない土地
建物がある土地
空き家が建っている場合は、解体してから申請する必要があります。
担保権などがついた土地
抵当権や、ほかの人が使う権利が設定されている土地。
ほかの人の利用が予定されている土地
通路として使われている土地など。
土壌汚染・境界が不明な土地
土壌が汚染されている土地、境界がはっきりしない土地、所有権について争いがある土地。
このほか、急な崖がある、地上や地下に取り除く必要があるものがある、隣の土地の所有者ともめないと管理できない、などの土地は、審査で「不承認」になります。
かかる費用
| 費用 | 金額 | いつ払う? |
|---|---|---|
| 審査手数料 | 土地1筆あたり 14,000円 | 申請するとき(収入印紙)。不承認でも返ってこない |
| 負担金 | 宅地・田畑・その他(雑種地・原野など)は、面積にかかわらず原則 20万円 | 承認された後、30日以内に納付 |
※ 市街化区域などの宅地、一部の農地、森林は、面積に応じて負担金を計算します。負担金は、国が管理する10年分の標準的な費用をもとにした金額で、支払うのは1回だけです。 ※ 隣り合う同じ種類の2筆以上の土地は、申し出れば1筆分の負担金にまとめられる場合があります。
手続きの流れ
相続土地国庫帰属の5ステップ
1
法務局に相談する
全国の法務局で相談できます。ウェブでの相談もあります。
2
申請書と添付書類をそろえる
土地の位置・範囲の図面、境界や形状の写真、印鑑証明書など。
3
土地がある都道府県の法務局(本局)に申請
窓口か郵送で提出します。支局・出張所では受け付けていません。
4
書類審査・現地調査
法務局の職員が、必要に応じて現地を調べます。
5
承認されたら負担金を納付
通知から30日以内に納付すると、土地の所有権が国に移ります。期限をすぎると承認が失効します。
「売る」「国に引き取ってもらう」どちらがいい?
| 売る | 国に引き取ってもらう | |
|---|---|---|
| お金 | 売れれば入ってくる | 手数料と負担金を払う |
| 向いている土地 | 買い手がつく土地 | 買い手がつかない、使い道のない土地 |
| 建物 | 建物つきでも売れる | 解体が必要 |
まずは実家を売るときの入門ガイドを参考に売却を検討し、それでも難しい土地の「最後の手段」として考えるのがおすすめです。
まとめ
- 相続した使い道のない土地を、国に引き取ってもらえる制度(2023年4月27日開始)
- 建物がある土地、境界が不明な土地などは対象外
- 費用は、審査手数料1筆14,000円+負担金(原則20万円)
- まずは法務局に相談を
この記事の出典
- 法務省「相続土地国庫帰属制度について」
- 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」
- 法務省「相続土地国庫帰属制度の負担金」(いずれも2026年9月確認)
※ 要件や費用は変わることがあります。実際の手続きは、法務局にご確認ください。