介護サービス

2026-10-08

認知症の行方不明は年1万7千人超|「3日以内」が分かれ目。家族ができる備えを警察庁の統計で解説

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「少し目をはなしたすきに、父がいなくなってしまった」

認知症の方が、ひとりで外に出て、家に帰れなくなることがあります。警察庁の統計では、認知症が原因で行方不明になり、警察に届出があった人は、1年間で1万7,345人(令和7年)にのぼります。

この記事では、警察庁の統計をもとに、行方不明になったときに何が大切か、家族が今からできる備えを整理しました(出典は記事の最後に載せています)。

数字で見る、認知症の行方不明

認知症の行方不明者(警察庁「令和7年における行方不明者届受理等の状況」より)
1年間の届出
1万7,345人。男性9,715人、女性7,630人。
行方不明者全体の中で
行方不明者のうち、原因が認知症の人は21.6%。
ここ数年の推移
令和3年から令和7年まで、毎年1万7千〜1万9千人台で、高い水準が続いている。

「3日以内」が分かれ目

警察庁の統計で特に大切なのが、見つかるまでの日数です。

  • 令和7年中に見つかった認知症の行方不明者のうち、94.8%が届出から3日以内に見つかっている
  • 届出を受けた当日に見つかった人が最も多く、1万1,369人
  • 一方で、届出から15日以降は、亡くなって見つかる人の割合の方が高くなる

つまり、いなくなったら、すぐに警察に届け出て、すぐに探し始めることが何より大切です。「もう少し近所を探してから」「大ごとにしたくない」とためらわず、迷ったらすぐに110番や最寄りの警察署に相談しましょう。

見つかるきっかけの約半数は「まわりの人の通報」

警察庁によると、令和7年に見つかった認知症の行方不明者のうち、47.0%は、民間の人からの通報がきっかけでした。いちばん多いきっかけです。

近所の人、お店の人、駅員さん、タクシーの運転手さんなど、まわりの人に気づいてもらえるかどうかが、早く見つかるための大きな力になります。

GPS機器は「当日発見」につながりやすい

警察庁の資料では、GPS機器などを使って見つかった人の84.9%が、届出の当日に見つかっていて、GPS機器などは迅速な発見に有効だとされています(見つかった人全体では、当日に見つかったのは68.0%)。

靴やかばん、お守りに入れられる小さなGPS端末や、スマートフォンの位置情報サービスなどがあります。本人が持ち歩くものに入れておくのがコツです。

家族が今からできる備え

1. 自治体の「事前登録」を使う

多くの自治体には、行方不明になるおそれのある方の情報を事前に登録しておき、いなくなったときに協力者へ情報を流してもらうしくみがあります。

たとえば西宮市の「認知症SOSメール」では、

  • 認知症により行方不明になるおそれのある方の名前や写真などを事前に登録しておく
  • いなくなったら、警察に捜索願を出したうえで、コールセンターにメール配信を依頼する
  • 登録した捜索協力者にメールで情報が届き、見つけた人が警察に通報する

というしくみで、登録者には「見守りシール」も配られます。兵庫県も、県内の見守り・SOSネットワークについて案内しています。お住まいの市区町村の制度は、地域包括支援センターで聞くことができます(地域包括支援センターについての記事)。

2. いざというときの情報をまとめておく

すぐに届け出られるよう、次のものを用意しておきましょう。

  • 最近の全身の写真と顔写真(スマートフォンに入れておく)
  • 身長・体重、よく着ている服や靴の特徴
  • 昔住んでいた場所、勤め先、よく行く場所(行き先のヒントになります)

服や持ち物に、名前と家族の連絡先を書いておくのも有効です。

3. 介護保険の「徘徊感知器」を相談する

介護保険の福祉用具には「認知症老人徘徊感知器」があり、玄関から出ようとしたときなどに家族に知らせてくれます。原則として要介護2以上の方がレンタルの対象です(介護保険で使える福祉用具の記事)。ケアマネジャーに相談してみましょう。

4. ひとりで抱えこまない

認知症の方の見守りを、家族だけで24時間続けるのはとても大変です。デイサービスやショートステイなどの介護保険のサービスに加えて、家族が見守れない時間を介護保険外のサービスで補う方法もあります。

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まとめ

  • 認知症による行方不明者は、1年で1万7,345人(令和7年)
  • 約95%は3日以内に見つかるが、時間がたつほど危険が高まる。いなくなったら、すぐに警察へ
  • 見つかるきっかけの約半数は、まわりの人の通報
  • GPS機器は当日の発見につながりやすい
  • 自治体の事前登録、写真や特徴のメモ、徘徊感知器など、今から備えておく

親が認知症かもしれないと感じたら、お金や財産のことも早めに考えておきましょう。親が認知症になると実家が売れない?、認知症の方に向いているグループホームとはもあわせてご覧ください。

※ この記事は2026年10月時点の情報をもとにしています。見守りの制度は自治体によって異なります。くわしくは、お住まいの市区町村や地域包括支援センターに確認してください。

この記事の出典

(いずれも2026年10月に内容を確認しています)

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