介護サービス

2026-10-08

介護離職は1年で10.6万人|仕事を辞める前に知っておきたい制度と、2025年の法改正を公的データで解説

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「親の介護が始まって、仕事との両立がもう限界。辞めるしかないのかな」

そう感じている方は、少なくありません。総務省の調査では、介護・看護のために、過去1年間に仕事を辞めた人は10.6万人にのぼります。

でも、仕事を辞めると、収入が減るだけでなく、介護が終わったあとの生活にも影響します。辞めると決める前に、使える制度を確認しておきましょう。この記事は、総務省の統計と厚生労働省の情報をもとに書いています(出典は記事の最後に載せています)。

データで見る「働きながらの介護」

総務省の「令和4年就業構造基本調査」(2022年)によると、次のような状況です。

介護と仕事の状況(総務省「令和4年就業構造基本調査」より)
介護をしている人
629万人。このうち仕事をしている人は365万人(58.0%)。
介護・看護で仕事を辞めた人
過去1年間で10.6万人。5年前(9.9万人)より増えている。
50代前半の有業率
介護をしている50〜54歳のうち、仕事をしている人は男性88.5%、女性71.8%。
※ 「介護をしている」には、要介護認定を受けていない人や、自宅の外にいる家族の介護も含まれます。

同じ調査では、介護・看護のために過去1年間に仕事を辞めた人は、2007年から2017年にかけては減っていましたが、2017年から2022年にかけては増加に転じたとされています。10.6万人のうち、女性は8.0万人、男性は2.6万人です。

働きながら介護をする人は増えていて、とくに50代は、仕事でも責任のある立場にいることが多い年代です。 介護は、多くの人にとって「いつか」ではなく「今」の問題になっています。

辞める前に使える制度

法律(育児・介護休業法)で、働く人には次のような制度が用意されています。

制度 内容
介護休業 対象の家族1人につき通算93日まで、3回まで分けて休める。雇用保険から介護休業給付金(休業開始時の賃金日額の67%相当)が出る
介護休暇 1年に5日まで(対象の家族が2人以上なら10日まで)。時間単位でも取れる
残業・深夜業の制限 会社に請求すれば、所定外労働(残業)の免除、時間外労働を月24時間・年150時間までに制限、夜10時〜朝5時の深夜業の免除が受けられる

くわしくは、介護休業と介護休暇のちがいにまとめています。

介護休業は「自分が介護する期間」ではない

厚生労働省は、介護休業を「仕事と介護を両立できる体制を整えるための期間」として使うよう案内しています。93日を自分が介護するためだけに使ってしまうと、休業が終わったあとに行き詰まってしまいます。

休業中にやっておきたいのは、たとえば次のようなことです。

  • 地域包括支援センターに相談し、要介護認定を申請する(介護がはじめての方へ)
  • ケアマネジャーと、デイサービスやショートステイなどを組み合わせたケアプランをつくる
  • 介護保険で足りない部分を、介護保険外のサービスでどう補うか考える
  • 施設への入居も選択肢に入れて、見学や情報集めをする

2025年4月から、会社に義務づけられたこと

2025年(令和7年)4月から、育児・介護休業法の改正で、会社には次のようなことが義務づけられました(厚生労働省「介護休業制度特設サイト」より)。

  1. 個別の周知と意向確認:社員から「家族の介護が必要になった」と申し出があったら、会社は介護休業などの制度、申し出先、介護休業給付金について個別に知らせ、制度を使うかどうか意向を確認しなければならない
  2. 40歳での情報提供:社員が40歳になる前後の時期に、介護の両立支援制度などについて情報を提供しなければならない
  3. 雇用環境の整備:研修、相談窓口の設置、利用事例の紹介、方針の周知のうち、いずれかを行わなければならない
  4. 介護休暇の対象拡大:「勤めて6か月未満の人は対象外にできる」というしくみがなくなった
  5. テレワーク:介護をしている社員がテレワークを選べるようにすることが、会社の努力義務になった

つまり、介護が必要になったら、まず会社(人事・総務)に申し出ることが、両立への第一歩です。会社には、制度を説明する義務があります。

「仕事を辞めない介護」のために

介護保険のサービスは、利用できる量に上限があり、「仕事で帰りが遅くなる日」「急な出張」などに、すべては対応しきれないこともあります。

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費用は全額自己負担ですが、介護保険のサービスと組み合わせて使えます。介護保険でできないことは、介護保険でできないこと一覧にまとめています。

まとめ

  • 介護・看護のために仕事を辞めた人は、1年間で10.6万人(2022年)。5年前より増えている
  • 辞める前に、**介護休業(93日)・介護休暇(年5日・時間単位)**などの制度を確認する
  • 介護休業は、介護の体制を整えるための期間として使う
  • 2025年4月から、会社には個別の制度説明と意向確認が義務づけられた。まずは会社に相談を
  • 介護保険で足りないところは、介護保険外のサービスも組み合わせる

介護に疲れを感じている方は、介護疲れで限界…仕事を休む制度と、家族が休むための「頼れる先」まとめもあわせてご覧ください。

※ この記事は2026年10月時点の情報をもとにしています。制度は法改正で変わることがあります。くわしくは、お勤め先の就業規則や、都道府県労働局(雇用環境・均等部(室))に確認してください。

この記事の出典

(いずれも2026年10月に内容を確認しています)

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