生前整理
2026-09-30
生前整理とは?何から始める?|はじめての方のための全体ガイド
「実家にモノがあふれている」「親が亡くなったあと、どこに何があるか分からなかったら困る」
そんな心配から注目されているのが、生前整理です。親が元気なうちに、モノや財産、大切な情報を整理しておくことで、親自身の暮らしが楽になるだけでなく、将来の家族の負担もぐっと軽くなります。
この記事は、生前整理についていちばん最初に読んでほしい入門ガイドです。
生前整理・遺品整理・終活のちがい
似た言葉が多いので、まずは整理しておきましょう。
| 生前整理 | 遺品整理 | 終活 | |
|---|---|---|---|
| だれが? | 本人(と家族) | 家族・相続人 | 本人 |
| いつ? | 元気なうち | 亡くなったあと | 元気なうち |
| なにをする? | モノ・財産・情報の整理 | 故人の持ち物の整理・処分 | 医療・介護・葬儀・お墓などの希望を決める |
| ポイント | 本人の意思で決められる | 家族が判断に迷いやすい | 生前整理は終活の一部 |
いちばん大きなちがいは、生前整理は本人の気持ちを聞きながら、本人が決められることです。
生前整理は「3つの整理」
生前整理というと「片付け」のイメージが強いですが、実は3つの整理があります。
生前整理の3つの柱
モノの整理
衣類、食器、家具、趣味の道具など。「使う・残す・ゆずる・手放す」に分けていきます。
お金・財産の整理
預金口座、保険、証券、不動産、借入れなど。一覧にしておくと、いざというときに家族が困りません。
気持ち・情報の整理
介護や医療の希望、葬儀・お墓の希望、スマホやネットのパスワード、大切な人の連絡先など。
特に大切なのが「お金・財産の整理」です。親が認知症になると、預金を引き出したり実家を売ったりすることが難しくなるため、元気なうちの備えが欠かせません(くわしくは資産凍結についての記事)。
生前整理の進め方
生前整理の5ステップ
1
親と話す・目的を決める
「片付けなさい」ではなく、「お父さん(お母さん)の希望を聞いておきたい」と伝えるのがコツです。
2
財産を一覧にする
銀行名、保険会社、不動産、年金などを書き出します。金額が分からなくても大丈夫です。
3
小さな場所からモノを仕分ける
引き出し1つ、押し入れ1段から。いきなり家全体を片付けようとしないことが長続きのコツです。
4
大きなことの方針を決める
実家を将来どうするか、お墓をどうするか、財産の管理を誰に任せるか、など。
5
書き残す
エンディングノートに希望をまとめ、必要なら遺言書や家族信託も検討します。
親への切り出し方
生前整理でいちばん難しいのが、「どう切り出すか」です。
- 「片付けて」ではなく「手伝わせて」:親のペースと気持ちを大切にする
- 自分のことから話す:「自分もエンディングノートを書いてみた」など
- きっかけを利用する:お盆や年末の帰省、親の誕生日、テレビのニュースなど
- 思い出の品は無理に手放さない:写真や手紙は、デジタル化して残す方法もあります
業者に頼む場合の費用の目安
モノが多い場合や、家族が遠くに住んでいる場合は、生前整理の専門業者に頼むこともできます。
| 間取り | 費用の目安(一般的な相場) | 作業人数・時間の目安 |
|---|---|---|
| 1R・1K | 3万〜8万円 | 1〜2人・半日 |
| 1LDK・2DK | 7万〜20万円 | 2〜3人・1日 |
| 2LDK・3DK | 12万〜30万円 | 3〜4人・1〜2日 |
| 3LDK・4DK | 17万〜50万円 | 4〜6人・1〜2日 |
| 4LDK以上 | 22万〜60万円 | 5人以上・2日〜 |
※ モノの量、処分するものの種類、エレベーターの有無などで大きく変わります。2〜3社から見積もりをとって比べましょう。
このサイトでの読み進め方
- 財産の備え → 家族信託とは?仕組み・費用・デメリット
- 預金のこと → 親の銀行口座が凍結されたら?
- 「もう認知症かも」と感じたら → 家族信託はまだ間に合う?
- お墓のこと → 墓じまいして海へ還す
まとめ
- 生前整理は、親が元気なうちにモノ・お金・気持ちの3つを整理すること
- 本人の意思で決められるのが、遺品整理との大きなちがい
- 小さな場所から、親のペースで少しずつ進める
- 財産の整理は、認知症になる前に。家族信託などの備えも検討を
※ この記事は2026年9月時点の情報をもとにしています。業者の費用は、地域や作業内容によって異なります。
この記事の出典
- 法務省「自筆証書遺言書保管制度について」
- 裁判所「後見開始」
(いずれも2026年9月に内容を確認しています)