相続

2026-09-30

自筆の遺言書を法務局に預ける「遺言書保管制度」とは?手数料3,900円・手続きの流れを法務省の情報で解説

「親に遺言書を書いておいてほしい。でも、書いた遺言書をどこに置いておけばいいの?」

自宅で保管した遺言書は、なくしたり、見つけてもらえなかったり、書きかえられたりするおそれがあります。そんな心配を減らせるのが、法務局が遺言書を預かってくれる「自筆証書遺言書保管制度」です。

この記事は、法務省の公式ページをもとに書いています(出典は記事の最後に載せています)。

遺言書保管制度のメリット

法務局に預ける4つのメリット
なくさない・書きかえられない
原本は亡くなった後50年間、画像データは150年間、法務局が保管します。紛失や、破棄・改ざんを防げます。
形式のチェックが受けられる
預けるときに、法律で決められた形式に合っているかを、外から見てチェックしてもらえます。
家庭裁判所の「検認」がいらない
自宅で保管した自筆の遺言書は、亡くなった後に家庭裁判所で検認を受ける必要がありますが、この制度で預けたものは不要です。
家族に通知が届く
希望すれば、亡くなったことが確認されたときに、指定した人(3人まで)へ「遺言書が保管されている」という通知が届きます。
※ 法務局では、遺言の内容についての相談には応じてもらえません。また、遺言書の有効性を保証するものではありません。

手数料

手続き 手数料 できる人
遺言書の保管の申請 1通につき 3,900円 遺言者本人
遺言書の閲覧(モニター) 1回 1,400円 遺言者/相続人など
遺言書の閲覧(原本) 1回 1,700円 遺言者/相続人など
遺言書情報証明書の交付 1通 1,400円 相続人など
遺言書保管事実証明書の交付 1通 800円 相続人など

※ 手数料は収入印紙で納めます。保管の申請の撤回や、住所などの変更の届出は無料です。

預けるまでの流れ

遺言書を預ける6ステップ
1
自筆で遺言書を書く
法務省のページに、用紙の大きさや余白などの決まりがあります。内容に迷ったら、事前に弁護士などに相談しましょう。
2
預ける法務局を決める
本人の住所地、本籍地、または本人が持っている不動産の所在地を管轄する法務局から選びます。
3
保管申請書をつくる
法務省のページからダウンロードできます。法務局の窓口でももらえます。
4
予約をとる
手続きには予約が必須です。
5
本人が法務局に行って申請する
持ち物:遺言書(ホチキス止めしない)、申請書、本籍の記載がある住民票の写し、顔写真付きの身分証明書、手数料3,900円分の収入印紙
6
「保管証」を受け取る
再発行はできません。家族に預けたことを伝えるときは、保管証のコピーを渡しておくと確実です。
※ 申請できるのは遺言者本人だけです。代理人による申請や、郵送での申請はできません。

公正証書遺言・自宅保管とのちがい

自宅で保管(自筆) 法務局で保管(自筆) 公正証書遺言
つくる人 本人 本人 公証人
費用 ほぼかからない 3,900円 財産の額によって数万円〜
紛失・改ざんの心配 ある ほぼない ほぼない
家庭裁判所の検認 必要 不要 不要
内容のチェック なし 形式だけ 公証人が関わる
本人が出向く必要 なし あり あり(出張してもらえる場合も)

「費用をおさえつつ、確実に残したい」という場合は、法務局での保管が選択肢になります。内容が複雑な場合や、親が法務局に行くのが難しい場合は、公正証書遺言も検討しましょう。

親が元気なうちに

遺言書は、本人の判断能力がしっかりしているうちにしか書けません。財産の管理まで含めて備えたい場合は、家族信託と組み合わせる方法もあります。

まとめ

  • 自分で書いた遺言書を、法務局が3,900円で預かってくれる
  • 紛失・改ざんを防げて、亡くなった後の検認がいらない
  • 申請は本人が予約して法務局へ。代理や郵送はできない
  • 内容の相談はできないので、迷ったら専門家に相談を

相続の全体の流れは相続の入門ガイドをご覧ください。

この記事の出典

※ 手数料や手続きは変わることがあります。実際の手続きは、法務局にご確認ください。

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