相続

2026-10-28

親の遺言書が見つかったら「検認」を|封は開けずに家庭裁判所へ。費用は1通800円、検認がいらない遺言と必要な戸籍(裁判所・民法で解説)

親が亡くなったあと、引き出しや金庫から手書きの遺言書が見つかることがあります。そのときに大事なのは、封を開けずに、家庭裁判所で「検認」を受けることです。

この記事は、裁判所の「遺言書の検認」のページと、民法の条文をもとに書いています(出典は記事の最後に載せています)。

※ 相続人の数や戸籍の集め方によって、手続きの手間は大きくちがいます。迷うときは、申し立てる家庭裁判所や、弁護士・司法書士などの専門家に相談してください。

検認とは

裁判所のページによると、検認は、

  • 相続人に、遺言があることとその内容を知らせる
  • 遺言書の形、加除訂正の状態、日付、署名など、検認の日の時点の遺言書の内容をはっきりさせ、偽造や変造を防ぐ

ための手続きです。遺言が有効か無効かを判断する手続きではありません。

民法1004条は、遺言書の保管者は、相続の開始を知ったあと遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を請求しなければならないとしています。保管者がいない場合に、相続人が遺言書を見つけたときも同じです。

検認がいらない遺言

遺言の種類 検認
自筆証書遺言(自宅などで保管されていたもの) 必要
公正証書遺言 不要
法務局で保管されている自筆証書遺言(「遺言書情報証明書」が交付されるもの) 不要

法務局の保管制度については自筆証書遺言の保管制度にまとめています。親が遺言書を書くなら、検認の手間がかからない方法を選んでおくのも一つです。

封のある遺言書は、勝手に開けない

民法1004条3項では、封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人またはその代理人の立ち会いがなければ開封できないとされています。

そして民法1005条では、遺言書の提出を怠ったり、検認を経ないで遺言を執行したり、家庭裁判所の外で開封したりした人は、5万円以下の過料とされています。

封筒に入っていたら、そのままの状態で保管して、家庭裁判所に持っていきましょう。

申し立ての概要

項目 内容
申し立てる人 遺言書の保管者、または遺言書を見つけた相続人
申し立てる先 遺言者(亡くなった親)の最後の住所地の家庭裁判所
費用 遺言書(封書の場合は封書)1通につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手(金額は裁判所ごとにちがう)
検認済証明書 検認のあと、遺言を執行するために必要。遺言書1通につき150円分の収入印紙

必要な書類

申立書のほか、裁判所のページでは、標準的な添付書類として次のものをあげています。

すべての場合に共通

  1. 遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  2. 相続人全員の戸籍謄本
  3. 遺言者の子(とその代襲者)で亡くなっている人がいれば、その人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本

相続人が親の父母や兄弟姉妹(おい・めい)になる場合は、さらに戸籍が必要になります。

  • 戸籍の代わりに「法定相続情報一覧図の写し」を出せる場合があります(申し立てる家庭裁判所に確認。制度は法定相続情報証明制度を参照)
  • 申し立て前に手に入らない戸籍は、あとから追加で出してもかまいません

検認の流れ

検認の流れ(裁判所のページより)
1
家庭裁判所に申し立てる
申立書と戸籍などを、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に出す
2
検認期日の通知
裁判所から相続人に、検認を行う日が知らされる。申立人以外の相続人は出席しなくてもよく、全員がそろわなくても検認は行われる
3
検認期日
申立人が遺言書を持参。出席した相続人などの立ち会いのもと、裁判官が封を開けて遺言書を検認する
4
検認済証明書の申請
遺言書1通につき150円分の収入印紙。遺言を執行するために必要

裁判所のページによると、遺言を執行するには、遺言書に検認済証明書が付いていることが必要です。相続の手続き全体の流れは相続手続きの進め方、遺言があっても一定の取り分が守られる遺留分は遺留分とは、不動産の名義変更の期限は相続登記の義務化をご覧ください。

まとめ

  • 手書きの遺言書が見つかったら、開封せずに家庭裁判所で検認を受ける
  • 検認は遺言の有効・無効を決める手続きではない。偽造・変造を防ぎ、内容をはっきりさせるもの
  • 公正証書遺言と、法務局で保管された自筆証書遺言は検認がいらない
  • 費用は遺言書1通につき800円の収入印紙と郵便切手。検認済証明書は150円
  • 家庭裁判所の外で開封すると、5万円以下の過料の対象になる

出典

(2026年10月28日に確認)

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