2026-10-28
法定相続情報証明制度とは|戸籍の束の代わりに使える「一覧図の写し」を無料で。申出先は4か所から選べ、郵送もOK(法務局の情報で解説)

親が亡くなったあとの相続手続きでは、銀行、証券会社、法務局などに、親の出生から死亡までの戸籍謄本の束を出す場面が何度もあります。手続きのたびに束を出し、返してもらうのを待つのは大変です。
その手間を減らせるのが、法務局の「法定相続情報証明制度」です。この記事は、法務局の公式ページをもとに書いています(出典は記事の最後に載せています)。
※ 一覧図の写しが使えるかどうか、ほかに必要な書類は、提出先の機関によってちがいます。前もって提出先に確認してください。
どんな制度か
法務局によると、この制度は、
- 相続人が、相続関係を一覧にした図(法定相続情報一覧図)と、戸籍・除籍謄本などの束を、登記所(法務局)に出す
- 登記官が、一覧図の内容が民法で定められた相続関係と合っているかを確認する
- 一覧図に認証文をつけた写しを無料で交付する
というしくみです(2017年5月にできた制度)。
何に使えるのか
一覧図の写しは、戸籍・除籍謄本の束の代わりに、次のような手続きで使えます。
- 相続登記(不動産の名義変更)。不動産が複数の法務局の管轄にまたがっていても、それぞれに戸籍の束を出す必要がなくなる
- 親名義の預金の払い戻し
- 相続税の申告
- 親の死亡にともなう年金などの手続き
2024年4月1日からは、相続登記の申請書に一覧図の写しの右上にある「法定相続情報番号」を書けば、一覧図の写しの添付を省略できるようになりました(不動産登記以外の手続きでは、番号は使えません)。
相続登記は、2024年4月1日から義務化されています。くわしくは相続登記の義務化をご覧ください。
手続きの3つのステップ
申し出ができる人
- 亡くなった人(被相続人)の相続人(またはその相続人)
- 委任すれば、親族のほか、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士に頼むこともできる
被相続人や相続人が日本国籍を持っていないなどで、戸籍・除籍謄本を出せない場合は、この制度は使えません。
申し出る登記所は、4か所から選べる
次のどれかを管轄する登記所を選べます。
| 選べる登記所 |
|---|
| 被相続人の本籍地(亡くなったときの本籍) |
| 被相続人の最後の住所地 |
| 申出人(自分)の住所地 |
| 被相続人名義の不動産の所在地 |
離れて住む子どもにとっては、自分の住所地の登記所を選べるのが便利です。郵送でも申し出られ、一覧図の写しの受け取り(戸籍の返却も)も郵送にできます。その場合は、返信用の封筒と切手を同封します。
窓口で受け取るときは、申出書の「申出人の表示」と同じ住所・氏名が書かれた本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)が必要です。
再交付は5年間
一覧図の写しが追加で必要になったら、再交付を受けられます。
- 再交付を受けられるのは、最初の申出書に「申出人」として名前を書いた人だけ(ほかの相続人は受けられない)
- 一覧図は、申出日の翌年から5年間保存されるので、その間なら再交付できる
- 再交付の申し出は、最初に申し出た登記所で行う
注意したいこと
- 一覧図は、戸籍の記載にもとづく法定相続人を示すものです。相続放棄や遺産分割協議の結果、実際には相続しない人がいても、一覧図には名前が載ります
- 本人確認のために出した書類(運転免許証のコピー、住民票の写しなど)は、戸籍とちがって返却されません。住民票の写しの原本を手元に残したいときは、原本とコピーをあわせて出します
- 書類の不足や一覧図の誤りを直さないと、書類が返され、返戻に応じない場合は申出日から3か月後に廃棄されます
相続手続きの全体の中で
相続の手続き全体の流れは相続手続きの進め方、手書きの遺言書が見つかったときは遺言書の検認、相続放棄は相続放棄の手続きにまとめています。
まとめ
- 法定相続情報証明制度は、法務局が確認した「法定相続情報一覧図の写し」を無料で交付する制度
- 戸籍・除籍謄本の束の代わりに、相続登記、預金の払い戻し、相続税の申告、年金の手続きなどに使える
- 申し出る登記所は、本籍地・最後の住所地・自分の住所地・不動産の所在地から選べる。郵送もできる
- 再交付は、申出人だけが5年間受けられる
- 相続登記では、2024年4月から法定相続情報番号を書けば写しの添付を省略できる
出典
- 法務局「「法定相続情報証明制度」について」(2024年4月1日更新)
- 法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」(2024年4月1日更新)
(2026年10月28日に確認)
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