親の車・運転

2026-10-18

親の運転が心配になったら|家族が気づくサイン、チェックリスト、#8080での相談

「車に新しいこすり傷がある」「同じ道で迷ったと言っていた」。親の運転の変化に気づいても、どう切り出せばいいか迷う家族は少なくありません。ここでは、運転の変化に気づくための目安と、家族が相談できる窓口を整理します。

運転の変化に気づく「チェックリスト30」

警視庁は、運転のときに表れやすい認知機能の衰えに、本人が早めに気づくためのチェック表として「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」を紹介しています。NPO法人 高齢者安全運転支援研究会が作成し、日本認知症予防学会の浦上克哉理事長が監修したものです。

30の項目は、たとえば次のような種類に分かれています。

種類 項目の例(要約)
物や操作の戸惑い 車の鍵や免許証を探すことがある、カーナビなどの操作に戸惑う
名前や標識の理解 道路標識の意味が思い出せないことがある
道順や駐車場所 よく通る道で迷う、車を止めた場所が分からなくなる
操作のミス ペダルの踏み間違い、ウインカーの出し忘れ、車庫入れでこする
状況の判断 右折や車間距離の判断、合流などが苦手になった
運転の習慣 ドライブに行かなくなった、運転のあとにひどく疲れる

警視庁の案内では、30項目のうち5項目以上にチェックが入ったら要注意とされ、項目が増えてきたら専門医や専門機関の受診を考えるよう勧めています。ただし、これは受診を考えるためのめやすで、病気かどうかを判断するものではありません。

チェック表は警視庁のページで見られます。家族が一方的に採点するより、本人に自分でチェックしてもらうほうが、本人も変化を受け止めやすくなります。警視庁も、年に1回は自分でチェックすることを勧めています。

家族も相談できる「#8080」

警察には、運転に不安がある人や、その家族が相談できる「安全運転相談」の窓口があります。全国共通の短縮番号 #8080(シャープ・ハレバレ) にかけると、住んでいる都道府県の警察の相談窓口につながります。

神奈川県警察の案内では、運転に不安を感じている本人だけでなく、その家族からの相談も受け付けており、安全運転を続けるための助言や、免許を続けるかどうかの相談、自主返納の制度の説明を受けられるとしています。

大阪府警察も、2025年(令和7年)に、高齢ドライバーやその家族が来る施設で、運転能力の診断装置を使った安全運転指導や、保健師などによる相談を受けられる「出張安全運転相談会」を開きました。

相談するのは親の住所の府県の警察です。家族が離れて住んでいる場合も、親が住んでいる府県の窓口につながるか、かける前に確認しておくと安心です。

もの忘れが気になるなら、医療や地域の窓口へ

運転の変化と一緒に、日常の物忘れが増えていると感じたら、運転の話より先に、かかりつけ医や、親の住む地域の地域包括支援センターに相談するのも一つの方法です。認知症の診断を受けた場合は、運転免許の扱いにもかかわってきます。

75歳以上の人は、免許の更新のときに認知機能検査を受けます。更新の時期や、検査の結果でどうなるかは、次の記事にまとめています。

→ 75歳以上の免許更新|認知機能検査・運転技能検査とサポカー限定免許

話し合う前に準備しておきたいこと

運転は、親にとって「自分で出かけられる」ことそのものです。いきなり「返納して」と言うより、次のことを先に整えておくと話が進めやすくなります。

  1. 返納したあとの移動手段を調べておく(敬老パス、タクシーの割引、福祉有償運送など)
  2. 「やめる」以外の道も知っておく(自動ブレーキなどがついた車だけ運転できる「サポカー限定免許」)
  3. 車をどうするか考えておく(売る・譲る・廃車にする)
  4. 親の住む府県の返納特典を確かめておく

家族だけで話がまとまらないときは、#8080の相談窓口で、第三者として話を聞いてもらうこともできます。

まとめ

  • 「チェックリスト30」は、5項目以上で要注意。病気の判断ではなく、受診を考えるめやす
  • 本人に自分でチェックしてもらうと、変化を受け止めやすい
  • 警察の安全運転相談(#8080)は、家族からの相談も受け付けている
  • 返納の話の前に、返納後の移動手段や、サポカー限定免許などの選択肢を調べておく

この記事の出典

(いずれも2026年10月に内容を確認しています)

あわせて読みたい