2026-10-18
数字で見る高齢ドライバーと免許|認知機能検査で年6万人が「おそれあり」、自主返納は年43万件(警察白書)

「うちの親だけが心配なのだろうか」。高齢の親の運転について考えるとき、全国でどれくらいの人が検査を受け、どれくらいの人が免許を返しているのかを知っておくと、家族の話し合いの材料になります。
ここでは、警察庁が公表している「令和7年版 警察白書」の統計(令和6年の数字)を整理します。
75歳以上の認知機能検査:約2.3%が「認知症のおそれあり」
75歳以上の人は、免許の更新のときに認知機能検査を受けます。また、信号無視などの一定の違反をしたときにも「臨時認知機能検査」を受けます。
| 検査 | 受けた人 | 認知症のおそれなし | 認知症のおそれあり |
|---|---|---|---|
| 更新時の認知機能検査 | 265万3,291人 | 259万3,100人 | 6万191人(約2.3%) |
| 臨時認知機能検査 | 18万1,556人 | 17万7,215人 | 4,341人(約2.4%) |
※ 割合は、白書の人数をもとにこの記事で計算したものです。
更新のときの検査だけで、1年に約6万人が「認知症のおそれあり」と判定されています。こう判定された人は、医師の診断を受けることになります。
高齢者講習:75歳以上で年259万人
70歳以上の人は、更新のときに高齢者講習を受けます。
| 年齢 | 実車指導あり | 実車指導なし |
|---|---|---|
| 75歳未満 | 126万1,259人 | 2万850人 |
| 75歳以上 | 238万4,640人 | 20万7,023人 |
75歳以上だけで、1年に約259万人が講習を受けています。
運転技能検査:合格率は92.2%
75歳以上で、過去3年間に一定の違反をした人は、更新のときに実際に車を運転する「運転技能検査」を受けます。
| 受検した人(延べ) | 合格した人 | 合格率 |
|---|---|---|
| 15万6,376人 | 14万4,133人 | 92.2% |
運転技能検査は、免許の更新期限まで何度でも受け直せます。受検者は「延べ人数」なので、同じ人が複数回受けた分も含まれています。
自主返納:年42万件、うち75歳以上が約6割
本人の申請で免許を取り消す「自主返納」と、返納した人が受け取れる「運転経歴証明書」の件数は、次のように推移しています。
| 年 | 自主返納(件) | うち75歳以上 | 運転経歴証明書の交付(件) | うち75歳以上 |
|---|---|---|---|---|
| 令和2年 | 55万2,381 | 29万7,452 | 49万6,556 | 26万437 |
| 令和3年 | 51万7,040 | 27万8,785 | 44万4,484 | 23万4,816 |
| 令和4年 | 44万8,476 | 27万3,206 | 37万1,411 | 22万2,712 |
| 令和5年 | 38万2,957 | 26万1,569 | 29万1,071 | 19万7,493 |
| 令和6年 | 42万7,914 | 26万4,916 | 31万6,005 | 19万3,324 |
令和6年は、自主返納が前の年より増えて約43万件になりました。そのうち75歳以上が約62%(26万4,916件)を占めています。
また、令和6年の運転経歴証明書の交付件数は、同じ年の自主返納件数の約7割にあたります(31万6,005件 ÷ 42万7,914件。交付件数には、前の年までに返納した人の申請なども含まれる可能性があります)。運転経歴証明書は身分証になり、返納特典を受けるときにも使うので、返納するときは一緒に申請しておくと安心です。
数字から家族が読み取れること
- 認知機能検査で「おそれあり」となる人は、全体から見れば少数(約2.3%)でも、人数にすると年6万人。決して珍しいことではない
- 運転技能検査は9割以上が合格する。合格したから安心とは限らず、日々の運転の様子を家族が見ておくことも大切
- 75歳以上だけで、毎年26万件ほどの自主返納がある。返納は特別なことではなく、多くの人が選んでいる選択肢
親と話すときに「みんな返している」と押しつけるのは逆効果になることもあります。数字は、家族が状況を知るための材料として使い、話し合いでは親の気持ちや、返納後の暮らしの不安に寄りそうことを大切にしましょう。
まとめ(令和6年の数字)
- 更新時の認知機能検査は265万人が受検し、約6万人(約2.3%)が「認知症のおそれあり」
- 運転技能検査の合格率は92.2%
- 自主返納は42万7,914件で、そのうち75歳以上が26万4,916件(約62%)
- 運転経歴証明書の交付は31万6,005件
この記事の出典
- 警察庁「令和7年版 警察白書」第5章(高齢運転者対策)
- 図表5-24「更新時の認知機能検査及び臨時認知機能検査の実施状況(令和6年)」
- 図表5-25「高齢者講習及び臨時高齢者講習の実施状況(令和6年)」
- 図表5-26「運転技能検査の実施状況(令和6年)」
- 図表5-27「申請による運転免許の取消し件数及び運転経歴証明書の交付件数の推移(令和2年~令和6年)」
(2026年10月に内容を確認しています。白書の数値には、認知機能検査などと同等の効果がある検査・課程(認定検査・認定教育)を含みます)
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