相続

2026-10-28

相続時精算課税とは?|親から2,500万円まで贈与税なしで、2024年から年110万円の基礎控除も。一度選ぶと戻れない点と、暦年贈与とのちがい(国税庁の情報で解説)

親から子へ財産を渡すとき、贈与税の計算のしかたは2つあります。ふつうの暦年課税と、もうひとつが相続時精算課税です。2024年(令和6年)から相続時精算課税にも年110万円の基礎控除ができ、使い方が変わってきました。

この記事は、国税庁のタックスアンサー「No.4103 相続時精算課税の選択」(令和8年4月1日現在法令等)をもとに書いています(出典は記事の最後に載せています)。

※ どちらを選ぶのが有利かは、財産の額や家族の状況で大きく変わります。一度選ぶと戻れない制度なので、税理士や税務署に確認してから決めてください。

使える人

要件
贈与する人 贈与した年の1月1日時点で60歳以上の父母または祖父母
贈与を受ける人 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の、子や孫(推定相続人である直系卑属、または孫)

しくみ:2,500万円まで贈与税なし、亡くなったときに精算

相続時精算課税の流れ
1
届出書を出す
最初の贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日に、「相続時精算課税選択届出書」を税務署へ
2
毎年、基礎控除110万円を引く
2024年1月1日以後の贈与から。110万円以下なら申告もいらない
3
さらに特別控除2,500万円まで贈与税なし
複数年にわたって使える。超えた分は一律20%の贈与税
4
親が亡くなったら、相続税で精算
贈与された財産(基礎控除分を除く)を相続財産に足して相続税を計算。払った贈与税は差し引ける

年110万円の基礎控除(2024年から)

2024年1月1日以後の贈与から、相続時精算課税にも贈与する人ごとに年110万円の基礎控除ができました。

  • 基礎控除の範囲内の贈与は、贈与税がかからず、申告もいりません
  • 亡くなったとき、相続財産に足すのは、基礎控除を引いたあとの額です

暦年課税では、亡くなる前の一定期間の贈与は110万円以下でも相続税に足し戻されます(親からの生前贈与は相続税に足し戻される?)。相続時精算課税の基礎控除分は足し戻されない点が、大きなちがいです。

特別控除2,500万円

基礎控除を引いたあとの額は、通算2,500万円まで贈与税がかかりません。前の年までに使った分は、この2,500万円から差し引かれます。2,500万円を超えた分には、一律20%の贈与税がかかります。

特別控除は、期限内に贈与税の申告書を出した場合に使えます。

一度選ぶと、暦年課税に戻れない

国税庁は、一度相続時精算課税を選ぶと、その贈与者からの贈与は、その後ずっと相続時精算課税になり、暦年課税に戻すことはできないとしています。

  • 父について相続時精算課税を選んでも、母からの贈与は暦年課税のまま、のように贈与者ごとに決まります
  • 暦年課税の年110万円の基礎控除と、相続時精算課税の年110万円の基礎控除は、別のものです

暦年課税とのちがい(まとめ)

暦年課税 相続時精算課税
年の基礎控除 110万円(受ける人ごと、1年の合計) 110万円(贈与者ごと、2024年から)
そのほかの控除 なし 特別控除 通算2,500万円
税率 金額に応じた累進税率 2,500万円を超えた分は一律20%
相続税への足し戻し 亡くなる前3〜7年以内の贈与(110万円以下も含む) 基礎控除を引いたあとの全期間の贈与
選び方 何もしなければこちら 届出書を出す。一度選ぶと戻れない

相続税がかかるかどうかの目安は、相続税がかかるかの目安にまとめています。相続税がかからない見込みの家庭と、かかる見込みの家庭では、どちらが向いているかが変わります。

まとめ

  • 相続時精算課税は、60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で選べる
  • 2024年から年110万円の基礎控除ができ、その範囲は申告不要・相続税への足し戻しもなし
  • さらに通算2,500万円まで贈与税なし。超えた分は一律20%
  • 亡くなったときに相続税で精算。一度選ぶと暦年課税に戻れない
  • 選ぶ前に、税理士や税務署に相談する

出典

(2026年10月28日に確認)

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