高齢者施設

2026-10-28

親を自分の近くの施設に呼び寄せたら介護保険はどうなる?|「住所地特例」で、元の市町村の介護保険が続く。対象の施設と、地域密着型の施設は対象外という注意点

遠くに住む親を、自分の住む市の老人ホームに呼び寄せたい。そのとき気になるのが、介護保険はどこの市町村のものになるのかです。

介護保険は、原則として住民票のある市町村が担当します(保険者)。ただし、施設に入るために住民票を移した場合には、例外として住所地特例というしくみがあります。

この記事は、神戸市の「介護保険の住所地特例制度」のページと、厚生労働省の資料をもとに書いています(出典は記事の最後に載せています)。

※ 施設ごとに対象になるかが決まっています。入居を決める前に、施設と、親が今住んでいる市町村の介護保険の窓口に確認してください。

住所地特例とは

住所地特例のイメージ
前
親はA市に住み、A市の介護保険に入っている
介護保険料もA市に払っている
後
B市の対象施設に入り、住民票をB市に移す
住所地特例により、介護保険は引き続きA市が担当

神戸市によると、被保険者がほかの市町村の介護保険施設などに入所し、施設の所在地に住民票を移した場合でも、入所前の住所地(または前々住所地)の市町村が引き続き保険者になります。要介護認定を受けているかどうかにかかわらず、要件に当てはまれば対象です。

保険者が続けて行うこと

保険者になる市町村(上の例ではA市)が、次のことを行います。

  • 要介護認定
  • 介護保険の給付
  • 介護保険料の徴収

対象になる施設

神戸市のページでは、住所地特例の対象施設として次のものが挙げられています。

対象になる施設
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)※地域密着型を除く
介護老人保健施設
介護医療院
軽費老人ホーム(ケアハウスなど)
養護老人ホーム
有料老人ホーム(定義に当てはまる施設のみ)
サービス付き高齢者向け住宅(定義に当てはまる施設のみ)

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、すべてが対象とは限りません。その住まいが対象になるかは、施設に確認しましょう。施設の種類のちがいは介護施設の種類、サービス付き高齢者向け住宅はサ高住と施設のちがいにまとめています。

地域密着型の施設は対象外に注意

厚生労働省の資料では、認知症グループホーム、地域密着型特定施設、地域密着型特別養護老人ホームといった地域密着型サービスは、住所地特例の対象外とされています。

地域密着型の施設は、原則としてその市町村に住む人が使うためのものです。住所地特例の対象外なので、住民票を移した先の市町村が保険者になります。グループホームについては認知症の親のグループホームもご覧ください。

他の市町村に住む親が、子どもの住む市のグループホームや地域密着型の特養に入れるかは、市町村ごとの決まりによります。入居を考えるときは、先に施設とその市町村に相談しましょう。

届出はいる?

神戸市によると、被保険者本人の届出は不要です。住民票の異動が終わったあと、施設からの連絡と、市町村どうしの連絡で適用されます。施設は「住所地特例対象施設入所(居)・退所(居)連絡票」を、施設のある市町村と前の住所地の市町村に送ります。

ただし、市町村によって手続きがちがうことがあります。住民票を移す前に、親が今住んでいる市町村の介護保険の窓口に、どんな手続きが必要か確認しておくと安心です。

呼び寄せる前に確かめたいこと

  • 入居を考えている施設が、住所地特例の対象か
  • 介護保険料は元の市町村に払い続けること(保険料の金額は元の市町村の基準)
  • 要介護認定の更新も、元の市町村が担当すること
  • 住民票を移すと、住民税や国民健康保険・後期高齢者医療など、介護保険以外の手続きも変わること

施設の探し方は老人ホーム・介護施設の選び方、特養の入りやすさは特養の入居待ちにまとめています。

まとめ

  • 住所地特例は、ほかの市町村の対象施設に入って住民票を移しても、元の市町村の介護保険が続くしくみ
  • 対象は、特養(地域密着型を除く)、老健、介護医療院、ケアハウス、養護老人ホーム、一定の有料老人ホーム・サ高住など
  • グループホームや地域密着型の施設は対象外
  • 本人の届出は原則不要だが、市町村によってちがうこともあるので、移る前に窓口に確認する

出典

(2026年10月28日に確認)

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